【離婚調停】相手の住所が分からない場合の4つの解決方法

離婚調停を行いたいのに、パートナーと別居状態で相手の住所がわからないことがあります。
離婚調停は、相手の居住地域を管轄する裁判所に申し立てなければならないので、住所がわからなければ話が進みません。
まずは相手の住所を突き止める必要があります。
ここでは、離婚調停時に相手の住所を特定する方法を紹介します。

簡単にできる住所特定の方法は、役所で自分の住民票や戸籍の附票を確認することです。
相手が転出・転入の届け出を行っていれば、転居先の住所が記載されています。
特に戸籍の附票の場合、本籍地が変わっていなければ常に最新の住所が確認できます。
相手が転居を繰り返している可能性があるなら、戸籍の附票を確認した方が早いでしょう。

 

もちろん、相手が転出届を出していなければ追跡はできません。
また、DVなどが原因で別居した場合は、相手の申請によって転出先が確認不能になっていることがあります。
そして、もし住所がわかったとしても、迂闊に連絡するのは控えてください。
相手が追跡を振り切るために、さらに転居してしまう可能性があるからです。

住民票での住所確認の方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
住民票で人探しをおこなう方法と3つの注意点

弁護士は、正当な理由があれば第三者の住民票や戸籍謄本の写しを取得できます(職務上請求)。
離婚調停が理由として認められる可能性は十分にあるため、効果的な手段だといえるでしょう。

 

また、相手の携帯電話のキャリアに弁護士会を通じて働きかけ、個人情報を取得することもできます(23条照会)。

 

これらの方法なら、相手が転出届を出していなくても住所を突き止められます。

 

ただし、100%うまくいくわけではありません。
理由が不十分だと見なされれば住民票の取得はできませんし、携帯キャリアが個人情報の開示を拒否することもあるからです。
そして、弁護士に依頼するにはそれなりの費用がかかることを認識しておきましょう。

相手の大体の居住地域が特定できているなら、探偵に調査を行ってもらう方法があります。
張り込みや聞き込みによって相手の家を探すわけです。
また、勤務先がわかっているケースも多いでしょうから、勤務先から出てきたところを尾行してもらうという手段も使えます。

 

さらに、居住地域や勤務先がわからなくても、相手に連絡がつくなら住所を突き止める方法はあります。
何か理由をつけて呼び出し、帰るところを探偵に尾行してもらえばいいのです。
相手に気づかれないよう、できるだけ自然な理由で呼び出しましょう。

 

なお、探偵も弁護士と同様にある程度の費用がかかります。
1日の調査でも平均十数万円は必要なので、早期解決のためにも手がかりはすべて提供しましょう。

探偵の費用についてはこちらの記事を参考にしてください。
探偵の人探し調査の料金と費用を安くするためのポイント

どのような方法を使っても住所を特定できなかったとしても、あきらめてはいけません。
裁判所にその旨を説明すれば、調停から裁判へ移行できる可能性があります。
この方法で離婚訴訟を起こした場合、一定期間裁判所の前に相手への通達が掲示されます。
これを公示送達といい、相手が反応しなければ通達を知ったものとして裁判が進行するのです。

 

ただし、裁判所が公示送達を認める条件は非常に厳しいものです。
他のどんな方法を使っても住所がわからなかったということを報告書にまとめ、提出して判断を仰がなければなりません。
結局、探偵や弁護士を先に頼る必要があるので、公示送達を利用するケースはまれだといえます。

あらゆる手段を使えば、相手の住所を特定することは不可能ではありません。
どうしても駄目だった場合でも、離婚訴訟へ移行することができますから、救済策は十分に用意されているといえます。
まずは住民票の確認から始め、自分の持っている情報によって弁護士と探偵を使い分けましょう。
適切な調査を行い、必ず相手の住所を突き止めてください。